いま話題の「コロナ保険」とは


2021年1月15日更新 執筆者:竹下さくら


新型コロナウイルスの感染拡大して以降、「コロナ保険」という言葉を耳にする機会が増えました。

ただし、「コロナ保険」という言葉は、コロナで入院した際に”まとまったお金”が受け取れる医療保険といった意味合いで新聞記事や雑誌などのタイトルとして通称として用いられることが多く、特段の定義はない状況です。たとえば「がん保険」や「認知症保険」のように保険商品として「コロナ保険」があるわけではない様相です。

 

「コロナ保険」としてよく取り上げられる具体的な保険名には、以下のものなどがあります。

 

①太陽生命のコロナ特化型保険「感染症プラス入院一時金保険」

新型コロナウイルスを含む所定の感染症などで入院した場合、入院一時金保険に組み合わせることで最高40万円が受け取れる。

https://www.taiyo-seimei.co.jp/net_lineup/best/hospital3/index.html

 

②少額短期保険justInCaseの「コロナ助け合い保険」

新型コロナウイルスに限らず病気やケガで1泊2日以上入院した場合、10万円の給付金を受け取れる。収益から必要経費を除いた全額が、医療従事者に寄付される。

https://medical.justincase.jp/

 

考えてみると、新型コロナウイルスで入院しても、一般的な医療保険で入院給付金を受け取ることができますね。そのため、「コロナ保険」と呼ばれる条件としては、新型コロナウイルスに罹患した際にまとまったお金が受け取れる点がポイントと言えそうです。

 

背景にあるのは、新型コロナウイルスに感染した場合、完治したとしてもすぐに職場復帰できるとは限らない現状が挙げられます。働ける体調に回復したのにもかかわらず働けない・・・そんな事態に陥った際に、一度の入院でまとまったお金が受け取れれば、住宅ローン返済や子供の教育資金の準備にも対応できるため安心感が高まります。

 

「コロナ保険」を扱っている保険会社に聞いたところでは、これまでの医療保険とは異なり、家族ぐるみでの契約が多いそうです。家族感染が増えているため、仮に家族4人で最高40万円の保険に契約すれば、まさかの罹患時には160万円を手にできる安心感があるわけですね。

 

なお、上記の医療保険のほかに、航空会社が旅券に自動付帯する形で提供している海外旅行傷害保険についても「コロナ保険」という表記で記事上の見出しになっていることがあります。海外の航空会社を中心に提供されており、新型コロナウイルスで罹患した際の死亡・入院等でお金が受け取れるといった補償内容になっています。搭乗前にPCR検査で陰性になっていることが要件とされています。

 

今は緊急事態宣言もあり、当分は自由に海外を行き来できない状況のため、「コロナ保険」と言えば、上記のまとまったお金が受け取れるタイプの医療保険のことを指していると考えて良さそうです。

 

 

竹下さくら(たけした・さくら)

CFP(R)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。生命保険会社・損害保険会社勤務を経てFPとして独立、現在に至る。主に個人のコンサルティングを主軸に、講演・執筆等を行う。

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